終活「なにから始める?」おさえておく7項目(後編)
5.相続
令和6年4月より、相続が義務化されました。
①法定相続人とは
配偶者は常に相続人
※1.順位相続人(子、子が死亡時は孫、孫が死亡時はひ孫)
※2.順位相続人(被相続人に子も孫もいない場合、父母が生きていれば父母が相続人。
父母が先に亡くなっていて祖父母がいれば、祖父母が相続人)
※3.順位相続人(被相続人に、子も孫も両親も祖父母もいない場合、兄弟が相続人になります。
相続人に配偶者がいる場合、配偶者と兄弟が相続人になります)
➁法定相続分、法定相続人ごとの分割割合
相続人 | 法定相続分 |
(1)配偶者と子供 | 配偶者1/2、子1/2 |
(2)配偶者と父母 | 配偶者2/3、父母1/3 |
(3)配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者3/4、兄弟姉妹1/4 |
(4)配偶者のみ、子のみ、父母のみ 兄弟姉妹のみ | その人が全部 |
③相続税
相続税の基礎控除額は、3000万円+600万円×相続人数
例)父が死亡。相続人が母と子供2人の場合(相続人3名)
3000万円+600万円×3=4800万円が、相続税の基礎控除額となります。
◎エンディングノート
終活の項目全体をカバーするものとして考えられるものに、エンディングノートがあります。
自分が亡くなったときや意思疎通ができなくなったときに備えて、
家族に向けて必要な情報を書き残しておくためのものです。
エンディングノートの主な項目
1.自分の基本情報(生年月日、本籍地、学歴職歴、マイナンバー、他)
2.財産、資産(年金、保険証書、通帳の証券印鑑などの保管場所)
3.医療、介護について(延命処置含む)
4.お葬式、お墓
5.相続
6.スマホ、パソコン、デジタル情報、ID、パスワード含む
7.その他
6.お葬式と供養
お葬式とは、葬送儀礼の「葬儀」と故人や遺族の社会的関係が中心に行われる
式典「告別式」とを合わせてお葬式といいます。
①お葬式の種類
1.一般葬:葬儀と告別式を同時に行う。(従来通り、親戚、友人、会社関係、地域の方を交えた形)
2.家族葬:家族を中心とした葬儀
3.直送:通夜、告別式をせず、ご遺体を納棺ご直接火葬場へ移動して火葬を行います
➁お墓
平安時代の仏教伝来を基に、供養塔が初めて日本にもたらされ、江戸時代に檀家制度が確立し、
人々に先祖供養が定着した。
◎現在のお墓の種類
1.和墓(従来通りの、位牌型の墓)
2.洋墓(横に長く縦に短い、欧米風のオルガン型の墓)
3.デザイン墓(お客様の「想い」や「希望」を取り入れ自由にデザインされた墓)
例)ピアノ、海の波、花を彫り込む、など
◎上記以外に、祀り方により
1.散骨:遺骨を粉状にして、海などに撒く供養方式。
2.樹木葬:遺骨をシンボル的な木の下に埋葬する。
3.手元供養:遺骨を少し取り分けて、形見として身近に置き、供養する。
4.永代供養:祀る人がいない。祀ることが困難な状況になった時、寺院で祀り、供養する。
7.遺品整理、空き家問題
◎遺品整理
①遺族が行う
故人の持ち物には、預金通帳、証券、貴金属など貴重品が含まれている場合があります。
タンスやポケットの中など、入念に確認することが必要です。
➁遺品整理専門業者が行う
専門知識のない業者に、ごみ処分や宝探しのように作業されるのは、遺族にとっても不快です。
専門業者であれば、知識、経験の面で、遺族に配慮した対応が期待できます。
処分の判断に迷った時は、アドバイスもしてくれます。
ごみとして処分でなく、価値ある物の区分けもしてくれ、遺族様のいくらかの収入にもなります。
③昨今デジタル遺品も多くあります。
パソコン、スマートフォンなどのデジタル機器に保存されている個人データの処分です。
ID、パスワードなどが不明の時、なかなか解決できません。
生前にこの問題を伝えておく必要があります。
◎空き家問題
子供たちが県外でも生活しており、家を管理する人が不在時の問題です。
①売却する:専門家の不動産会社に依頼する。
➁賃借する:必要であれば、リフォーム専用会社で一部リフォームする。
(市町村により、費用一部補助あり)
また、リフォームも不動産会社に依頼し、住居として賃借する。
③二次利用する:二次利用者(カフェ、飲食店、他)に貸し出す。
④空き家解体し、更地化して売却する。
以上、7項目に分けて終活を構成している項目にふれました。
終活をパソコン、スマホ検索すれば、知りたい内容が多数見つかります。
これらは多くの場合、自社業務の終活関連を説明しています。
(保険業界→老後の保険の葬儀社であれば、遺品整理など)
しかし、家族関係も生活環境も個々によって違います。
失敗しない終活のために、
①まず、終活項目を自分に当てはめ、全体像をつかむ。
➁自分に合致し優先順位を決め「終活」計画を創る。
一般的な誰の場合でも通用する終活ではなく、『自分自身のオーダーメイドの終活』をし、
本人も家族も納得のいく、心豊かな生活を送りましょう。